田中史子のつぶやきコラム

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つぶやきコラム

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2018.6.2

義理の両親との不仲

結婚後、夫(もしくは妻)の両親と不仲となり、それが原因で夫婦仲まで悪くなってしまうことがあります。では、義理の両親との不仲は、離婚原因となるのでしょうか。

単に義理の両親と不仲であるということだけでは、離婚原因とはなりませんが、それにより、夫婦関係自体が悪化して、修復不能な場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として、離婚が認められる場合があります。

この点、農家に嫁いだ妻が、夫の両親からことあるごとに小言を言われて不仲となり、ついには実家に戻って別居せざるをえなくなった事例において、妻からの離婚請求と夫への慰謝料・財産分与を認めた事例があります(昭和43年1月29日名古屋地方裁判所岡崎支部判決)。

この事例においては、夫は、積極的に妻を虐待したり、冷遇するようなことはしなかったが、家庭内のことには全く無関心で、妻と両親との度重なる不和にもかかわらず、一度も積極的に家庭内の不和の原因を解消し、円満を取り戻すよう努力したことはなく、両親の意のままとなって、婚姻関係を維持するための誠意を示さなかった、と認定されています。そして、婚姻関係が円満を欠くに至ったのは、妻と夫の両親との不和が原因であるが、妻がいかに努力しようと、夫が、従前の無関心な態度を改め、積極的に家庭内の円満を取り戻すよう努力を払わない限り、婚姻関係の平和を取戻し、これを維持することは困難であるが、夫には誠意ある態度が認められないばかりでなく、現在においては、妻との婚姻関係を維持する意思すらもないことが明らかであるとして、離婚と妻に対する慰謝料・財産分与を認めました。

ただ、この事例では、妻は夫の両親に対しても慰謝料請求をしていましたが、「婚家先の家族との不和は世上一般によくあることでいわば双方の人間性に由来する宿命のようなものであって、いずれかの側にのみその責任があるというわけのものではない」として、認めませんでした。

結婚した以上、まずは夫(もしくは妻)を尊重し、大切にしなければ、夫婦関係は成り立ちません。上記の事例のように、妻と両親との不和に、夫が全く無関心で、両親の意のままになっている、という状況では、到底、円満な夫婦生活は望めません。
義理の両親との関係が問題なのではなく、それに対する夫婦の対応が問題なのだということを認識する必要があると思います。