田中史子のつぶやきコラム

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2018.7.27

財産分与と譲渡所得税について

離婚時、夫(もしくは妻)が、妻(もしくは夫)に対し、自宅マンションを財産分与する場合、税金はかかるのでしょうか。

この点、自宅マンションを無償で財産分与したのであれば、税金はかからないようにも思えます。しかし、不動産の財産分与においては、財産分与をする側に譲渡所得税がかかる場合があるので、注意が必要です。例えば、夫名義の自宅マンションを妻に財産分与する場合で、取得時よりも自宅マンションが値上がりしているような場合には、夫に譲渡所得税がかかる場合があります。、

最高裁昭和50年5月27日の判決においては、「財産分与に関し右当事者の協議等が行われてその内容が具体的に確定され、これに従い金銭の支払い、不動産の譲渡等の分与が完了すれば、右財産分与の義務は消滅するが、この分与財産の消滅は、それ自体一つの経済的利益ということができる。したがって、財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合、分与者は、これによって、分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきである。」とされています。
すなわち、不動産の分与によって、財産分与の義務を免れたことが「経済的利益」だという考え方です。

これに対し、財産分与を受ける側には、贈与税はかかるでしょうか。

上記の例では、妻は無償で自宅マンションの財産分与を受けているので、贈与税がかかるのではないかとも思えます。
しかし、財産分与は、離婚によって生じた財産分与請求権に基づいて給付されるものであり、贈与税の課税対象ではないとされています。
ただ、離婚により取得した財産や分与財産の価額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮しても、多すぎると認められる場合や、離婚を手段として、贈与税等を免れることを図ったと認められる場合には、贈与があったものとして取り扱われます。