田中史子のつぶやきコラム

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つぶやきコラム

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2019.5.2

面会交流が制限される場合

両親の離婚後、もしくは別居中、子どもと一緒に暮らしていない親(別居親)と子どもとの面会交流は、原則として認められます。
大阪高裁平成18年2月3日決定においても、「面接交渉は、基本的には、子の健全育成に有益なものということができるから、これにより子の福祉を害するおそれがある場合を除き、原則として認められるべきものである。」とされています。

しかし、面会交流を認めることが、子どもを情緒不安定にする等、かえって子どもの福祉に反する場合があり、そのような場合には面会交流が制限されます。
例えば、別居親が、同居親に攻撃的な態度をとったり、同居親との面会交流の取り決めに反して、勝手に子どもに会いに行ったりするような場合です。

この点、離婚後に親権者となった母が、離婚時の調停条項で定めた面会交流の回数や面会交流日に関する定めを守らない父に対して、面会交流の禁止を申し立てて認められた事例があります(福岡高等裁判所那覇支部平成15年11月28日決定)。
この事例では、調停において面会交流の内容・回数等につき取り決めがされたにもかかわらず、父がこれを守らずに不規則な形で面会交流が行われていたことに端を発し、また、主として長男の教育方針に関する母と父との見解の相違等から、両者の感情的対立が激化していた状況でした。このような状況で、母が、父と子との面会交流を拒絶するようになり、他方で、父は、長男をバス停付近で待ち伏せ、長男を車に乗せて学校に送っていく、ということを繰り返していました。裁判所は、両親の間の感情的対立が子どもに過度のストレスを生じさせる結果になっているとし、前回の調停での調停条項を変更し、当分の間は父と子の面会交流を認めないこととしました。

面会交流は、子の成長発達にとって重要なものですが、面会交流をめぐる両親の対立が子どもにストレスを与えることになることもあります。
そのような対立をまねかないためにも、離婚時に面会交流について父母間できちんと取り決めをしておくこと、そして、その取り決めを守って面会交流を行うということは非常に重要なことだと考えます。