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田中史子法律事務所

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田中史子法律事務所 弁護士通信

証人尋問の緊張

 

 裁判の一つの山場は証人(本人)尋問です。それまで双方が主張していたことが事実かどうか、証人や当事者の口から、裁判官が直接聞いて判断します。本当のことを言っていれば、どのような角度から聞かれても、同じ答えになるだろうし、反対にうその証言をしていれば、肝心な点について答えられなかったり、前に言っていたことと矛盾したことを言ってしまうだろう、という前提で、尋問が行われます。

 ただ、ここで問題なのは、「人間は緊張する」ということです。普通は、裁判に慣れている人というのはあまりおらず、テレビや映画の法廷シーンを見て、なんとなく、こんな感じかと思っている程度だと思います。しかし、実際に法廷に立つと、想像以上に緊張します。突然頭が真っ白になって、思っていることと正反対の答えをしてしまう、ということも起こりえます。

 私も、弁護士になって最初のうちは、打ち合わせの際に、すらすらと話をしている依頼者の方が、いくら緊張しているといっても、法廷で突然何も答えられなくなったり、違うことを言い出したりしてしまうのが、なぜだか理解できませんでした。しかし、その後、私自身が仕事以外の場で、突然頭の中が真っ白になり、知っているはずのことが全く口から出てこず、おかしなことを口走ってしまう、という経験をしました。自己嫌悪で消えてしまいたい気がしましたが、そのとき、「あ!法廷でもこんな感じだったのか!」とわかりました。

 それ以来、依頼者の方が「大丈夫です。私は緊張しませんから。」と言われていても、「緊張して頭の中が真っ白になったときの対策」について話し合ったり、念のため事前に法廷の様子を見ることをお勧めしたりしています。ただ、緊張して真っ白になってしまったときは、それはもう仕方ないので、あとは弁護士がフォローします。